法改正により、多重債務で苦しんでいる人たちのために、経済生活の再生の機会の確保を図り、これまで以上に使いやすくなることを目的として、破産法の改正が実現されました。
改正案のうち、個人の破産手続や個人再生手続に大きな影響を与えると予想される主な事項には次のようなものがあります。

破産の申立後は、民事再生法と同様に強制執行等の中止命令・包括的禁止命令を裁判所から出してもらうことができるようになり、免責手続中の強制執行、仮差押、仮処分等及び国税滞納処分は禁止され、既にされている強制執行等の手続は中止し、免責決定の確定により効力を失うものとされます。

破産者の自由財産(破産財団に組み入れられない破産者の財産)の範囲については、自由財産となる金銭の範囲を標準的な世帯の必要生計費の3ヶ月分に拡張するとともに、裁判による自由財産の範囲の拡張が可能となりました。

破産手続開始の申立てがあれば、原則として免責許可の申立てもあったものとみなして、破産手続と免責手続とを一体化にするようになりました。

人の生命、身体を侵害する不法行為で故意又は重大な過失によるものに基づく損害賠償請求権、破産者が養育者又は扶養義務者として負担すべき費用に関する債権が追加されます。

免責決定の確定後10年間は再度の免責決定を得ることができないものとされていましたが、破産法等の改正案では、この期間が7年に短縮され、同時に給与所得者等再生手続の開始要件である制限期間についても、10年から7年に短縮されました。